Wanderlust in my life

自分が面白いなっと思ったことを書いてます。多分、役に立たないと思います

左側からみたアメリカの政治状況

最近、トランプ大統領の邸宅であるマー・ア・ラーゴにFBIが「襲撃」した話が、欧米のメディアで持ちきりですが、左に拠っているメディアとして有名な英国エコノミストに面白い分析がありましたので、ここで紹介したいと思います。

アメリカは分断されている

www.economist.com

8月16日に行われたワイオミング州共和党予備選挙で、3期目の当選を狙う下院議員のリズ・チェイニー氏が37ポイントの差をつけられ、ハリエット・ヘイジマン氏に落選したことが、左側というか、民主党を支持している方々に衝撃を与えていると読み取れる書き方で報じられています。

でも、この記事の肝は、共和党支持者と民主党支持者が、それぞれ相手の政党をどう見ているのかについて分析している点にあります。

他党に対する印象

このグラフによると、共和党員の62%が民主党員を「非常に疎ましく」感じており、共和党に対して同様の見方をする民主党員の割合は54%となっている。これは両党とも1994年の調査開始から上昇傾向が続いています。

また、アメリカでは他党の議員を不支持と表明するだけでなく、他党の議員を「否定的な性格の持ち主」と決めつける傾向が強まっているとのこと。

党派別他党への印象

民主・共和両党の大多数の支持者は、敵対する党の議員を「閉鎖的で不誠実、そして不道徳」な存在とみなしている。このような評価は、各党のイメージをある種のステレオタイプとして映し出していると見ることができる。

勤勉と個人的責任を美徳とする共和党員は、民主党員を「怠け者」だと言う傾向が2倍以上ある。一方、異なる文化やライフスタイルに寛容であると公言する民主党は、共和党のことを「心が閉じている」と言う傾向が強い。それぞれのグループの約半数が、相手の党員は「知性が低い」と答えている。

このような状況を改善するために「選択肢を増やすことが解決策だ」と考える政治家もいる。
しかし、「それでは問題を見誤る可能性がある」と、この記事の筆者は述べている。
「確かに両党を好ましく思わないアメリカ人は以前より増えているが、アメリカ政治を動かしている最も強力な力は、政治システム全体に対する不満ではなく、『相手側に対する憎悪』なのである」、とのこと。

まぁ、確かに、アメリカの選挙って、お互いに親の仇みたいにいがみ合ってるイメージがあるよね。
なぜにそこまで嫌悪し合うのか日本人の自分には、イマイチ理解できない点があるけど、ヨーロッパでも、それこそ韓国でも、選挙って、ある意味「命の奪い合い」みたいなところはあるよね。
そういえば、日本でも「勝てば官軍」、「選挙に落ちればただの人」ていうしね。
自分たちの将来を決める大事な選挙だと、確かに有権者である私達も熱くなるけど、でもどこ冷静に、そして合理的に判断してから投票しなけれいけないかなって思った次第です。

2024年の大統領選にトランプ氏は出るのか?

実は、こっちの記事のほうがメインというか、ある意味面白いんだけどね。

www.economist.com

まぁ、なんというか、左側の政治記事なんで無用な、というか過剰に修飾語をデコレーとしているので読み辛いのなんのって……。

結論から言うと、トランプ氏が出馬する可能性が徐々に高くなっていることに危機感を感じているってことなんだけどね。
どんな修飾語を使っているのか、その修飾語や挿入句を外したらどんな文になるのか分析するのも面白いけど、今回は素直に読み解いて、彼らがどんな危機感を抱いているのか紹介します。

トランプ氏は、2024年の大統領選に再出馬するのか?

この記事のテーマは、「トランプ氏は再出馬するのか?」、「その再出馬を阻止できるのか?」と2つあるんだけどね。
なんというか、両方とも、嫌で嫌でしょうがない感満載で、ある意味、笑えるんだけどね。

とりあえず、1つ目のテーマである「トランプ氏は再出馬するのか?」から見ていきましょう。

まずは、ワイオミング州で大敗したリズ・チェイニー氏を「議会から勇敢で信念を持った保守派を奪った」と評し、「負けた候補者の多くも彼(トランプ氏)の推薦を求めたことが、彼の影響力の大きさを示しているのかもしれない」と恐れおののいている様子が描かれております。

そして「保守主義の趣向の違いではなく、どの候補者が最もましであるかをめぐるものであった」と分析し、「いくつかの州の選挙行政の要職に就く同党の候補者は、2020年の投票が盗まれたというトランプ氏の危険な主張を支持する人たちである」とのレッテルを貼ることで自分を納得させております。

最後に、「2024年に共和党有権者が誰を党首に望んでいるかについての世論調査では、約50%がトランプ氏と答えている」、「各州で序盤の支持が30%得られれば、ほとんどのライバルを打ち負かすことができる現在の選挙制度において、これは非常に有利な地点に立っていると言える」とし、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏の「(大統領選挙で当選したいなら)トランプ氏の伴走者(副大統領候補)になることだ」という言葉を引き合いにし、再出馬することは間違いないと落胆してます。
まぁ、そうでしょうね。ご希望通りには行かないってことですね。

トランプ氏の再出馬を阻止できるのか?

再出馬がほぼ確定だとして、それを阻止できるのか?
つまり、トランプ氏が再出馬を希望し、共和党がそれを支持しても、何らかの手を使って阻止できないか、ってことなんですが、まぁ難しいでしょうねって結論なんだけどね。

まず、先日あった、FBIによるマー・ア・ラーゴ襲撃事件の件を検討してます。
「捜査が完了すれば、メリック・ガーランド司法長官は、文書は安全であり、仕事は終わったと判断する可能性がある」。つまり「やることやったけど、結果は白でした」となるかも、っと暗い未来を予想しております。
そして、「起訴に至るかどうかは、文書がどれほど機密性の高いものであったかによるだろう」と、最後の希望を残しております。

逆に「共和党員は、最も声高に主張しているのは、ガーランド氏の弾劾とFBIの資金削減」だとし、以前、共和党員は「(公務に)私用のメールサーバーを使用していたヒラリー・クリントンを拘束することを望んでいた」ことを考えると、これは「二重基準」だと逆ギレする始末。

そして「確定申告で嘘をついた」、「1月6日に法を犯した」、「2020年11月にジョージア州フルトン郡の選挙を覆す犯罪陰謀に参加した」などの3つの調査も同様に不確かなものであるため、「推定無罪」と言わざるを得ないとし、以前の過ち(弾劾裁判や、最高裁判事の任命の件など)を繰り返すなと申しております。以外にいさぎが良いですよね。
なによりも最後の決め台詞が良いです。「(何をやっても結局)彼はここにいる("And yet here he is")」

いいか、よく考えろよ「こうした法的トラブルがトランプ氏の出馬意欲を高めている」んだぞ、っと筆者は諭しております。
続けて「政界を離れれば、彼は起訴に直面する一人の私人に過ぎない」が、「大統領になる可能性がある限り、彼は前回7400万票を獲得したトップ候補」なんだぞ。仮にだ「裁判にかけられ、有罪になれば、トランプ氏の復活に拍車がかかるかもしれない」。「(トランプ氏の性格を考えれば)法制度によって迫害されたことへの報復を訴えるリベンジ・ツアーするに決まっている」。「(それは)トランプ氏の最悪の本能を刺激し、米国の選挙制度をさらに疲弊させることになる」んと思うんだ、っとなぜか日和っております。

日和った考えは、まだまだ続きます。
「以前であれば、大企業の影響力がトランプ氏の脇を固めたかもしれない」。
しかし「労働者階級の白人と保守的なヒスパニックが、共和党の運動の中心となりつつある現在、大企業の政治的影響力は弱まりつつある」。
そして、この運動は「外国への関与、不法移民、メディケアと社会保障の削減だけでなく、貿易やグローバルな経営エリートが進める左翼的なアイデンティティ政治にも抗議している」。
多くの共和党員は、共和党が長い間「アメリカの労働者よりも、大企業の利益を優先してきたと考えている」。
その結果、大企業が中間選挙共和党が勝利することを恐れている面もある。
共和党の既存勢力は、(トランプ氏の横暴を)覆す手段を持たない亡命政府のように振る舞っている」と現状を分析しております。
すっげぇ、笑えるんですけどねw

そして結末に向かいます。(以下、かなり意訳、というか超訳ですw)

共和党も当てにならず、法律でもトランプ氏を止められないのなら、我々に何ができるのであろうか?
チェイニー女史に「生きるか死ぬかの戦いである。ホワイトハウスに向かって走れ!」と発破をかけるために、民主党が嫌いな(そして理性的な)共和党員を動員しなければならない。
チェイニー女史がトランプと争い、多くの州で接戦の末でも、彼女が勝てれば、トランプの勝利を阻止できるかもしれない。

いやいや、それよりも、アメリカ国民の良識に頼った方が良いだろう。
トランプ氏は選挙に負けることを忘れている。大統領時代の4年間で、彼はホワイトハウスだけでなく、共和党の両院での多くの議席を失った。
多くの有権者は、彼が危険で非民主的であることを理解しており、ほとんどの人が彼の政権復帰を望んでいない。
トランプ氏が懸命に「投票は奪われた」キャンペーンを行うのは、選挙だけが自分を打ち負かすことができると知っているからである。

最後の最後は、他力本願で精神論ってところが笑えます。
っていうか、欧米の左翼の論調も、日本の左翼の論調もみんな同じで笑えます。
そんだけです。おしまい。