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エネルギー関連ニュース: 揚水電池、紙電池、砂電池、廃油燃料

"Euronews.green"にあったエネルギー関連ニュースを4本まとめてお届けします。

スイス: 揚水電池

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揚水発電って知ってますか?
揚水発電とは、夜間・休日昼間などの需要の少ない時間帯に余剰電力で下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池ダム)へ水を汲み上げておき、平日昼間・夕方などの需要が増加する時に、上池ダムから下池へ水を導き落とすことで発電する水力発電方式[Wikipedia]のことです。
別の言い方をすると、揚水発電の役割とは、大容量の「電力貯蔵」にあります。つまりダムの水を用いて、電力を「位置エネルギー」に変換して蓄える巨大な蓄電池と言うべきものとなります。
この揚水発電は、世界中で使われていますが、電力系統が他国から独立し、電力需要のピークとオフピークの差が大きい日本で特に普及した蓄電方法と言われています。
ちなみにWikipwdiaによると、日本では、約40箇所で稼動しており、新規に4箇所建設中とのことです。

で、今回紹介するスイスの揚水発電所なんですが、『タービン6基で総出力900MW、約90万世帯分の電力をまかなうことができる』とのこと。
そのため『エネルギー容量が2000万kWhの電力を蓄えることができるこの揚水発電所は、スイス及びヨーロッパのエネルギー網の安定化に大きな役割を果たすことが期待』されているとのことです。
日本にある、揚水発電所としては世界最大級の「神流川発電所(群馬県東京電力)」は、設計最大出力2,820MWなので、約3分の1の規模になりますね。

この揚水発電所は、スイスのヴァレー州にある「地下洞窟」に建設されました。下池貯水池は、ヴァレー州のエモソン貯水池とヴュー エモソン貯水池の間の地下 600 メートルにあり、完成までに14年かかったとのこと。
工場を建設するために、アルプスに18キロメートルのトンネルを掘るという難工事だったそうです。

この記事には、上池貯水池の写真や、発電機や建設資材を運ぶ巨大トンネルの写真があります。

スイス: 紙電池

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これもスイスからのニュースなんですが、ちょっと特殊な紙に水を数滴落すだけで電池になる「水電池」を開発したというニュースです。

  • スイス連邦材料科学技術研究所(EMPA)の研究チームは、この紙電池を2個、目覚まし時計のデジタル表示部に貼り付けてテストした。
  • 2滴の水滴で起動後、20秒で動き出し、乾き始めるまでの1時間、安定してディスプレイに電力を供給し続けました。単三電池の1.5Vに対し、ペーパー電源は最大1.2Vの安定した電圧を実現した。


問題は、どういった仕組みで機能しているか、ってことなんだけど、以下、引用しておきます。

  • まず、塩水に浸して乾燥させた短冊状の紙を用意
  • 片面には黒鉛フレーク入りのインクを印刷し、電池のプラス端子とする。もう一方の面には、亜鉛の粉末を含んだインクを使用し、マイナス端子とする
  • 紙の両面に黒鉛片とカーボンブラック(野菜の焦げのススのようなもの)を混ぜて刷り重ね、プラス端子とマイナス端子を繋ぐ
  • この紙に水を加えると、塩が溶けて帯電したイオンが放出される。このイオンはマイナス側で亜鉛接触し、亜鉛を酸化させ(金属が錆びるのと同じ過程)、電子を放出する
  • この紙電池に電気機器を接続すると回路が完成し、電子は電気機器を通してマイナス端子からプラス端子に流れる(電流はプラス端子からマイナス端子に流れる)
  • このプロセスにより、電子機器に電力を供給するための電流が生成される


なんか仕組みは簡単なので、自分で実験できそうですよね。

フィンランド: 砂電池

この記事はフィンランドからです。

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砂を大量に貯蔵し、その砂に熱を蓄え色々と使うというアイデアだそうです。
蓄える熱は、約500度。かなりの高温ですよね。
で、この熱は、なんと数ヶ月も保存できるので、夏の間に「貯蔵」して、冬に放出するのだとか。
この砂電池は、まだ実験段階で、使用する砂の量は100トン。今年の5月から稼動しているとのこと。

では、どういった仕組みでエネルギーを貯蔵し使うのか? 引用します。

  • そもそもは極めてシンプルな構造だ。背の高い灰色の塔に低級な砂を詰め、太陽光や風力発電の余剰電力で熱をチャージしている
  • これは抵抗加熱と呼ばれる仕組みで、超伝導体でない物質に電流を流したときに生じる摩擦によって熱が発生する。その熱風を熱交換器を通して容器内に循環させる


要するに、太陽光発電風力発電で余った電力を使って、砂で作た巨大な「抵抗器」を温め、そこから発生する熱を「熱交換器」を通じて特殊な「容器」に保存し循環させておくということ。
高校程度の物理の知識や、電気工学、電子工学の知識があれば、なるほどっと納得できますよね。

電気(この場合は「電流」のことね)を使うと、ほとんどの場合は「熱」として空中の放出されます。
スマフォを長時間使うと熱くなったり、不用意に白熱灯に触ると火傷するほど熱かったりしますよね。
これは「交換効率」の問題です。スマフォならCPU演算やディスプレイの表示、電波を使った通信なんかに電流を消費するけど、全部は使われず熱として空中に放出されます。
一般的に白熱灯は10%、蛍光灯で20%程度の交換効率と謂れています。つまり殆どのエネルギー(電流)は熱に変換される。ちなみにLEDの交換効率は90%を超ています。交換効率がものすごく高いのであんなに明いというわけですね。
あと、半導体の微細化技術が巷で話題ですが、これは省電力化に寄与するため(交換効率が向上するため)、各半導体メーカーが頑張ってるわけです。

話を戻すと、この砂電池の仕組みは、小学校の頃にやった、電池を繋いだニクロム線で発泡スチロールを切る、あの行為の応用と言えます。
砂の貯蔵庫(つまり巨大な抵抗器)に余剰電力を加える(荷電する)と、その加えられた電力は熱に変換されて空気中に放出されると同時に抵抗器である砂の貯蔵庫自体も熱を抱え込む。
実は砂って結構熱を貯め込むことは、みなさん知ってますよね。夏の砂場や、海の海岸の砂って、メチャクチャ熱いですよね。要はそれです。
その蓄える熱が「500度」なので、相当の高熱です。この熱でお湯は簡単に湧かせるし、熱自体を近隣地域に配熱できます。
そう、この「砂電池」は、電気を蓄えるのではなく、「熱」を蓄えるということなんです。
で、その熱をそのまま使うか、水を沸かしてタービンを回して発電したりできると。

発想としては面白いですよね。
ただ、実地で使うとなると設備の規模が大きくなることや、北よりも赤道付近の方が効率が良いと思うんだけど、っというお話でした。

フランス: ディーゼルエンジン用の廃油を利用した燃料

最後におフランスからです。

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要はバイオディーゼルが、やっとフランスで許可されるってお話です。
日本やイギリス、イタリアでは、ずっと前から許可されてるけど、今更って感じですよね。

バイオディーゼルって、確かにエコなんだけど、実は食用の廃油って結構入手が難しいんだよね。
何故なら、食用油の廃油は、豚や鶏の飼料として使われてるからね。
個人でちまちま貯め込んでも、その量なんかたいした量にはならないしね。

そういえば、テレビで、このバイオディーゼル車で旅する番組が以前あったような気がするんだけど……。
そんだけの話です。